REPORTレポート

Billboard Live東京 ひとりでできるもん レポート

2014.12.4

みなさまのリクエストにお応えし、「KAORI KISHITANI THANK YOU 2014 SPECIAL LIVE ひとりでできるもん」ライブレポート完全版をおおくりいたします。

2014年の最後のライブ&香ちゃんのマルチな才能を知ってもらうため、どの曲で何の楽器を弾いたかなど全曲解説しちゃいますよ!

★ ★ ★

まず、「ひとりでできるもん」をやることになったきっかけは2014年のシングル/アルバムの発売キャンペーンや雑誌のイベントなどでのこと。バンドメンバーのスケジュールを調整していたところ都合がつかないことがあり「じゃ、一人で演る!」とひとりでやってみたのが事の発端。実際に演ってみたところ思いのほか楽しかったらしく、ライブもひとりでやっちゃおうかな〜なんてスタッフに相談したところあれよあれよと事は進んで行ったのです。

0会場は六本木、東京ミッドタウンに併設するBillboard東京。
普段はジャズや香ちゃんの大好きなバートバカラックさんなどが演奏するような、とてもとてもとても大人な会場。お客様はテーブルに座りお酒とお食事を楽しみながらライブを観ていただく形式です。
当日は事前にセットリストが配られるなど、Billboard東京ならではの演出でした。開演前にセットリストを見てああでもないこうでもない、これは新曲か?なんてお話をお友達としてほしい、そんな意図もあったようです。
また、最前列はステージとテーブルがほぼくっついていたので場所によっては香ちゃんが超〜目の前という方もいらっしゃいましたね。

1「ひとりでできるもん」で演奏する楽器は、ほぼ香ちゃんの私物です。
マーチン(アコギ)、コロナド(ベース)、ドラムマシーン、ローズ(電子ピアノ)とウーリッツア(電子ピアノ)、エフェクターなど。その他、演奏はしなかったけれどプリファンにはたまらないビルローレンスの赤いストラト(エレキギター)や、香ちゃんが人生初に買った赤いグレコのプレベ(ベース)などもステージ上に。
その他、「香」の書。ピック、ミニアンプ。2012年プリプリ再結成時のスタッフとの集合写真。再結成の後スタッフのアベちゃんが世界で5冊だけ作った写真集などなど。これらの香ちゃんのお気に入りの私物に囲まれ、香ちゃん家に遊びに来てもらって演奏を披露するといった感じの雰囲気でした。

開演の数時間前。
香ちゃんが会場に入ると楽屋に荷物を置きすぐさまステージを視察。
「今日はスタンウェイ(ピアノ)だから楽しみなの」とリハーサル前にまるで子供のようにピアノを弾きだします。会場の音の感じやピアノの確認を含めて弾きだした感じでしたが、スタンウェイのピアノに「今日はよろしくね」と挨拶をしているようでした。

2開演時間になり香ちゃんが登場。
香ちゃんの普段着に近い飾らない衣装で登場し、まさしく香ちゃん家に遊びに来たような感じです。
まずはスタンウェイ(アコースティック・ピアノ)での弾き語り。
1曲目は会場の感じに合わせたしっとりとしたアレンジで『さよならダーリン』を披露。
2曲目は『バースデイキス』。
バースデイキス? 新曲か? と思いきや演奏が始まるとプリプリの『BIRTHDAY SONG』。
なんでバースデイキスなんだ? と思っていると演奏中に楽曲が『KISS』が入れ替わるというアレンジ。
マネージャーのイチヤンが「『BIRTHDAY SONG』、たまには聞きたいね」と言うのでリハで演ってみたところ途中からコード進行がわからなくなってしまい、ごちゃごちゃ弾いていたら『KISS』になっちゃったのでくっつけてしまったとのこと。いずれもの楽曲も香ちゃん作曲なので作曲者ならではの技ですね。

33曲目は場所を移してローズ(電子ピアノ)での弾き語り。
このローズは「ひとりでできるもん」が決まってから新調した楽器の一つです。
Billboard東京の雰囲気にあった音を出したいと都内の某楽器店で見つけた新しい相棒。香ちゃんも久々の鍵盤の購入で嬉しく嬉しくてたまらなかったそうです。
調整などの都合で購入から届くまで1週間かかったそうですが、その1週間がながくて長くて長くてしょうがなかったそうです。買ったその日からずっと弾いていてとても短い時間ですが深い愛で結ばれた楽器とのこと。

そんなニューパートナーのローズで1999年に Dear Yuming というトリビュートアルバムで香ちゃんがカバーした『恋人がサンタクロース』を演奏。アルバムはロックバージョンで収録されていますが、やわらかーいローズの音でスローバラードにアレンジしての演奏。

54曲目はオレンジのウーリッツア(電子ピアノ)の紹介から始まります。
香ちゃん自慢のウーリッツア。ローズとはまたちょっと違ったオルガンに近いアナログな感じです。
3曲目で演奏したローズを買いに行った際にオレンジの色が可愛くて可愛くて一目惚れして買ってしまったというこのウーリッツア。3オクターブしかなくちょっと実用的ではないため多数のミュージシャンの方々が断念したそうですが、「だったら、私が買うしか無いじゃん」と購入したそうです。
「どうしてもウーリッツアを弾きたいから持って来たの!」と『ぼくらのうた』を演奏。ウーリッツアに合わせた可愛い感じにアレンジされていました。

65曲目はそうきたかと会場も驚きのコロナド(ベース)とドラムマシーンを駆使しての演奏です。
ドラムマシーンとはわかりやすく言うとニセきょんちゃんの何でもできるやつ(笑)だそうです。
このドラムマシーンも相当年期が入っており壊れる寸前らしいのですが、『ダイアモンド』や『Get Crazy』などのデモを録った際に活躍したという超レアもの。実は「ひとりでできるもん」に合わせて新しいドラムマシーンを買ったそうなんですが、どうやら音がナウくてイヤだったので古いドラムマシーンを持って来たともMCで言ってましたね。
そのドラムマシーンに会場で一つ一つ音を打ち込みリズムパターンを作って行きます。普段はみたことの無い光景に会場からも「おーーーーーー」っと驚きの声が。
そのリズムパターンにベースを重ね『台風の歌』。コロナドベースには歪み系のエフェクターをかけ、この公演では唯一のロック調での演奏。

7演奏中には香ちゃんの後ろにあったカーテンが開き、ミッドタウンのイルミネーション&六本木の素晴らしい夜景が! 演奏中「おーーーーーー」とざわめきがあったので香ちゃんも私の演奏に驚いているのかと思いきや、「夜景に驚いてたのね?」 なんていうシーンもありました。

台風の歌の後は見慣れないベースを紹介。
ファンの方はご存知かもしれませんが、香ちゃん元々はベーシストなんです。
このベースは高校に入学した頃、親戚のおじさんに買ってもらったという香ちゃん人生初のベース。このベースでオーディションを受けプリンセスプリンセスになったという、香ちゃんのロック人生の原点と言っても過言ではないベース。みんなに見せてあげたかったのということで持ってきてくれたのです。

136曲目はアコギを持ち弾き語りです。
こちらのマーチン(アコギ)も思い入れのある一品。『ダイアモンド』の頃に購入したというもの。「あれから20数年経ってるからすごいヴィンテージだよね!」と香ちゃんも自慢げ。普段のロックバージョンのライブなどではエレキの音に埋もれてしまうのでなかなか表舞台にでてこれなかったマーチンですが、このBillboard東京にはピッタリの楽器です。マーチン独特の音色で前日、FNS歌謡祭で観月ありささんと演奏した『わたし』をアコギで演奏。ステキなアルペジオから始まる弾き語りで会場もうっとり。
このアルペジオが相当難しいらしく、ブログでも紹介していましたが岸谷家の窓際で相当練習していたようです。しかし、そんなことは微塵も感じさせない完璧な演奏でした。

97曲目はローズ(電子ピアノ)に戻り、『ティンドン』。
『ティンドン』???
もう、お解りですね。先ほどの『バースデイキス』同様『ティンカーベル』+『Ding Dong』を合体させた『ティンドン』。こちらも違和感無く楽曲を行ったり来たり。
この楽曲においてはローズ(電子ピアノ)に、フェイザーというエフェクターで音に変化を加えます。香ちゃんは「音をウニウニさせて」と表現していました。
このフェイザーも「ひとりでできるもん」のため新調したもの。このフェイザーも購入する際に某楽器店でいろいろあったとか。
ネットで見つけ予約して買いに行ったところどうやら同一ビルに入っている別の楽器店に入ってしまったそうなのです。しかし偶然にもそこに同じエフェクターがあり、話が噛み合わないながらもまんまと買ってしまいそうに…。しかし、最後の最後で予約したのはフロアが1つ下の楽器屋だったということが発覚しそちらに向かったそうなのです。ヴィンテージもので全く同じ状態ではなかったためどっちのエフェクターにしようか悩んだそうですが最終的には見た目の赤の可愛さで選んだそうです。

10最後にもう一度スタンウェイ(ピアノ)に戻り
8曲目は、森口博子さんに楽曲提供した『窓打つ雨』を弾き語りで。
9曲目は、スタンウェイ+グロッケンでの『tiny tiny X’mas』
なんとピアノで伴奏をしながらグロッケンを演奏! ほんとに香ちゃんなんでもできちゃうんだなーと、観ているだけでも関心してまいます。(右写真)すごいでしょ?ホントに。そして、アレンジもとってもステキ! 普通であればシンセで入れてしまうような音色も生のグロッケンをいれることによって更に優しく、上品なアレンジになっていました。

今回の公演は12月ということもあり、クリスマスソングを中心とした曲構成になっていましたがどの楽曲もすごーくすごーく優しい感じにアレンジされ、かつ、ビルボード東京にふさわしい大人でしっとりとした感じで演奏されていました。

14全ての演奏が終わると「今日はありがとう! 今年はとっても楽しい年でした。来年も是非みなさん私の音楽に触れてたくさん歌を聴きに来てください。」と、とびきりの香スマイルで挨拶をし、深々とおじぎをし、楽屋へ歩き出しました。
しかし、香ちゃんがまたおもむろにピアノに座ります。
あれ?もうアンコール???。

???…。

よっぽど、今日の出来映えがよくご機嫌だったのか? はたまた会場の雰囲気がよくってノリノリだったのか? それとも時間が押しちゃったのを気にしてアンコールを先にやっちゃうのか?

???…。

15ピアノの演奏が始まると会場でざわめきとクスクスというような笑い声が…。
それもそのはず、プリプリの終演後のSEでおなじみの『3つのジムノペディ』を弾き始めたのです。

…。(笑)…。

しばらくすると「以上をもちまして本日の公演はすべて終了させていただきます。」と普通は会場の方やスタッフなどが放送する影アナまで香ちゃんがステージ上でアナウンスしたのです!
想像どおり会場は爆笑。
ああ、ここまでも「ひとりでできるもん」なんだねー。と、香ちゃんのこだわりっぷりに納得。

『3つのジムノペディ』が最後ってのも2014年最後の公演にふさわしい選曲でしたね。

★ ★ ★

いつものライヴとは違い、大人な感じの構成でしたがいかがだったでしょうか?
ピアノ、ギター、ベースを弾きこなし全部「ひとりででちゃった」香ちゃんのすごさを感じさせるステキな公演でしたね!
ライブレポートといいながらなんか楽器紹介中心になっちゃいましたね…。でも、たまにはいいでしょ?

来年はおりあつ、アルバム制作、秋にツアー、ひとりでできるもん(?)と、2015年も頑張って行きますので来年もよろしくねー

1.さよならダーリン
2.バースデイキス
3.恋人がサンタクロース
4.ぼくらのうた
5.台風の歌
6.わたし
7.ティンドン
8.窓打つ雨
9.tiny tiny X’mas

おまけ 3つのジムノペディ

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