KAORI PARADISE 2016 -はじめてのひとり旅- Club eX ライブレポート
2016.07.24
今回のツアータイトルは -はじめてのひとり旅-。
実は、はじめてだったのは、ひとり旅だけでなく
はじめての土地、はじめての酒蔵、はじめての円形ステージ、はじめての握手会、はじめてのゲストなどなど、たくさんの「はじめて」を経験したツアーでした。
香ちゃんもたくさんの刺激を受け一回りも二回りも大きくなった本当に素晴らしいツアーでした。
そんなKAORI PARADISE 2016 -はじめてのひとり旅-ツアーの中から東京追加公演 クラブeX 「PIECE of BRIGHT」リリース記念スペシャル のレポートをお伝えいたします。
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開演前のリハーサル。ステージの真ん中に設置されたグランドピアノ周辺で会話を交わす香ちゃんとTRICERATOPSの和田唱さん。
笑いが絶えないリハーサル。
本日のゲスト出演時の最終調整ですが、楽しそうにリハーサルをし意見交換がなされています。
まるで、息のピッタリあったバンドメンバー、もしくは仲の良い姉弟かのように、お互いの良い所を引き出し完成度を増して行きます。
「唱くんさー、ダイアモンドの最後、心のままにフィックスしていいよ」
「オーケー、やってみる」
それは、最終リハの調整というより新たな創作に近く、香ちゃんと和田さんのワクワク感や緊張感がこちらまで伝わってきます。
リハーサルでこうなんだから100%のステージではどんな展開になるんだろう。開演前から期待が高まります。
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会場である品川プリンスホテルに併設されたクラブeXは、とても特殊なステージ。
会場自体が円形でその真ん中に円形ステージがありそれを囲むように客席が丸く並べられています。
わかりやすく言うとプラネタリウムのような席の配置で360度すべてのお客さんが香ちゃんを観れる環境です。
開演時間になり香ちゃんは会場袖からランウェイを歩き真ん中の円形ステージに向かいます。
360度の会場をぐるっとまわりながら挨拶をし、静かにピアノに座ります。
客席から香ちゃんの距離もかなり近くお客さんも心無しか緊張気味です。
その緊張を吹き飛ばすかのように1曲目はピアノ弾き語りでの『世界でいちばん熱い夏』からスタート。
プリプリの名曲からのスタートで、会場からは笑顔がこぼれだします。続いて『パパ』。
今回の公演は全編ピアノとアコギだけのアコースティックアレンジで、昨年末に行われたKAORI PARADISE 2015-年末スペシャル-とは違った香ちゃんの楽曲とプリプリの楽曲を多めの構成で数々の名曲を大人なアレンジで演奏します。
2曲目が終わった所で、ツアー途中から恒例になった「リクエストコーナー」。
今回のツアーは全国で28ステージとプリプリ以来の長いツアーで20年ぶりに訪れる土地もあり、一部の会場では8割のお客さんが香ちゃんのステージをはじめて観るなんていう会場もありました。
そして、どの会場も香ちゃんが近い!
武道館や東京ドームなどではあんなに小さかった香ちゃんがこんなに近くにいる! と、どの会場でもお客さんは緊張気味です。
そんな、お客さんの緊張をほぐすため&20年ぶりに来てくれたのなら聴きたい曲を聴かせてあげたいと始まったこのコーナー。
「なんか聴きたい曲ある?」
まるで友達に話かけるかのように、会場からリクエストを募ります。
しかし、香ちゃんとすぐに目線があってしまうようなこの環境で突然そんなことを言われると、お客さんはまるで学校の授業で先生に指されないようにするのと同じように一斉にうつむいてしまい、心無しかリクエストも控えめです。
そして、決まった今日のリクエストは『One』と『ユー・アー・マイ・スターシップ』。
セットリストにないこの曲はスタッフですらわからないサプライズです。
『One』は他の会場でもリクエストが多かった楽曲で、お客さんも満足されていたようです。
そんな、リクエストタイムで少し緊張がほぐれた後はKAORI PARADISEにひたっていただきます。
「年をとればとるほど夢とかっていっぱい見ていいんじゃないかって思ったの。
絶対にやりたいこととか我慢しないで上手にやって、楽しくトキメキのあるすんごい人生をこれから過ごして行こう。
今の私からのメッセージかもしれない。」
と、昨年シングルリリースされた『DREAM』を演奏。
同世代のお客さんの多い中、このメッセージはみなさんの心に刺さったようで手拍子もいつもより大きめに感じます。
次のMCでも心にジーンとくる言葉を残してくれた香ちゃん。
「2012年はいっぱい笑ってたなー。何が楽しかったんだろうって考えたらわたしの生活に音楽があったからだ。音楽があったから私の毎日あんなにキラキラしてたんだなーって。」
と、香ちゃんが音楽に戻ってきてくれたきっかけを。
そして…。
「2012年にプリプリが新曲をださなかったのは義援金をたくさん残したかったから。
でも、もし新曲出すとしたらどんなのがいいかなと思って次の曲を作りました。
きょんちゃんがきっと歌詞書きたいって言うだろうなと思って聞いてみたら「喜んで書くよ」と言ってくれてこの曲ができました。
もしこれがプリプリの新曲だったらなーという感じで聴いてください。」と『Kiss & Kiss 』
5月に発売されたアルバム『PIECE of BRIGHT』に収録されたこの楽曲。
この曲にはこんないきさつがあったんだと改めて曲に込めた思いを知ることができました。
これがプリプリの新曲だったらと改めて聴くと違った聴こえ方がしてきます。
アルバムにはバンド形式で収録されていますが、きょんちゃんに聴かせたデモテープのような感じで演奏されました。
そんなプリプリの幻の新曲を聴いたあとは、みなさんお待ちかねのゲストコーナーです。
「今日、皆さん特別な日だというのはご存知ですよね」
という一言から出会いのきっかけとなったTRICERATOPSの『FEVER』をピアノの弾き語りで演奏しながら和田唱さんの登場です!
グレーのスーツに身をまとった和田さんが香ちゃんのピアノに乗って登場し固い握手。
2人の出会いのきっかけや、お互い作る音楽が似ていることなどのトークの後、二人の共作『ミラーボール』を演奏。
演奏中に時折目を合わせタイミングを計っているしぐさは、お互い一緒に作った楽曲を大切に歌っているそんな感じがしました。
ピッタリ息のあった『ミラーボール』の後には
次の曲『My Life』の制作秘話を話してくれました。
『My Life』は実は『ミラーボール』の一部だったことが発覚。
香ちゃんと和田さんとの楽曲制作はiPhoneのボイスメモを使い、交換日記のようにやりとりをして曲を作っていたそうです。
その中で和田さんが『ミラーボール』のサビとして送ったものを香ちゃんが気に入り「別の曲として使っていい?」となり生まれた曲なんだそうです。
『My Life』の演奏は本邦初公開。アコースティックでの演奏もはじめて。
そして、実は香ちゃんソロとしてのゲストシンガーを呼んでの演奏ははじめてのこと。
はじめてずくしの貴重な瞬間を会場全体で満喫していました。
「せっかく唱くんにも来てもらったから、唱くんにも歌ってもらおうかな。」
と次の曲ではTRICERATOPSのアルバム『SONGS FOR THE STARLIGHT』に収録されている『ポスターフレーム』を演奏。
これは香ちゃんが「私が作りそうな楽曲」ということで香ちゃんの一存で決まったそうです。
和田さんも「そう、これ香さん作りそうな曲だよね! どんどんライブとかで歌って。Present For You!」なんてノリの良いトークを交わしたあと、和田さんギター&ボーカル、香ちゃんピアノ&コーラスでの演奏。
香ちゃんが「私が作りそうな楽曲」という『ポスターフレーム』は香ちゃんのファンならすんなり心の中に入ってしまうとても心地の良い楽曲でした。
とても贅沢なゲストコーナーはあっという間に終わり固い握手の後、再度、『FEVER』で送られ和田さんとの共演は終了。
和田さんがステージを去った後
「楽しかったもっかいやりなおしたい。」
と香ちゃんもとても満足の様子でした。
そして、香ちゃんはここからラストスパートをかけます。
アコギに移って『水の鏡』をしっとりと聴かせた後。
じゃ、みんなロックンロールやろっかと『GET CRAZY!』。ルーパーをつかっての多重演奏です。
落ち着いた雰囲気の会場で、座席に座わらざるを得ないお客さんも、そろそろ立ちたくてウズウズしている様子です。
次の曲『恋は素晴らしい』では『Oh! happy day!』とのミックスでゴスペル調にアレンジし会場を一つにします。
「今回のひとりぼっちツアーは本当にわたしにとってはめちゃくちゃチャレンジということもあってどうなるかわかんなかったけど、いろんな土地でたくさんの拍手をいただいてすごく自分の栄養になったと思います。」
と、感謝の言葉を述べ
最後の曲はここにいるみなさんに感謝の気持ちをこめてと『M』。
27年前に生まれたプリンセスプリンセスの名曲『M』。
今日の演奏は、お客さんと『M』が共に歩み続けた27年間の数々の想い出と数々のストーリーを浄化してくれているようでした。
演奏を終え香ちゃんがピアノの鍵盤から指を離し、一瞬の静寂が訪れたあと、割れんばかりの拍手に変わり
香ちゃん、お客さんとも満面の笑みで本編は終了しました。
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鳴り止まない拍手と声援にお応えし、香ちゃんがアンコールで再度登場!
と思ったら、ゲストの和田くんもまさかの登場!
仲良く腕を組みながらステージ中央までランウェイを歩いてきます。
香ちゃんと、和田さんの軽いアイコンタクトのあと、最後の曲は『ダイアモンド』の演奏です。
イントロが流れると、今まで抑えていたお客さんの感情が爆発し会場が総立ちとなります。
和田さんはサポートギターかと思いきや和田さんのあまーい声でのダイアモンドを歌い始めます。
男性ボーカルのダイアモンドもしっくりとハマり会場もノリノリ。
2番は香ちゃんのダイアモンド。
香ちゃんが歌いだすと、アレンジは違っても、武道館、東京ドーム、仙台、豊洲PITの感動が徐々に甦ってきます。
そして、最後には、リハーサルで直前に決めたキメで終了。
これがパズルのようにピッタリと決まり、今まで聴いたことのない素敵なダイアモンドとなりました。
「たくさんの拍手を、そしてたくさんの笑顔と力もらっちゃいました!」
と、感謝の気持ちを述べ満面の笑みで360度のステージを端から端までまわって挨拶!
無事、追加公演を終える事ができました!
これで終わりかな(?)と思ったら香ちゃんがまたピアノに座って演奏を始めます。
最後はエリックサティの『3つのジムノペディ』。
プリプリ初期の頃から終演後に必ず流れるこの楽曲。
香ちゃんの生演奏で最後を締めてくれるのかと思いきや
「以上をもちまして本日の公演はすべて終了させていただきます。どなた様も…」
と、影アナまでも一人で行う徹底ぶり。
終始笑顔が絶えない素晴らしいステージでした。
6月から約2ヶ月にわたって行われたKAORI PARADISE 2016 -はじめてのひとり旅-ツアーいかがでしたか?
香ちゃんの楽曲やプリプリの楽曲をアコースティックで聴け、しかも香ちゃんを身近に感じれるとても贅沢なツアーだったのではないでしょうか?
今回のひとりぼっちツアーでアコースティックを楽しんだみなさんや見逃してしまったみなさん!
秋からはバンドツアーが始まりますよ! こちらもお楽しみに!
年末までパワフルに駆け抜けますよ~!
SET LIST
1.世界でいちばん熱い夏
2.パパ
3.DEAM
4.わたし
5.Kiss&Kiss
6.ミラーボール
7.My Life
8.ポスターフレーム
9.水の鏡
10.GET CRAZY!
11.恋は素晴らしい
12.M
★アンコール
EN1.ダイアモンド