REPORTレポート

KAORI KISHITANI 2016 LIVE TOUR 49th SHOUT!-PIECES of BRIGHT- ライブレポート

2016.11.9

ひとりツアーの興奮覚めやらぬぬまま、香ちゃんがNewアルバム『PIECE of BRIGHT』を携えてバンドツアーをしてきまし た!
東京→名古屋→大阪→東京と行い、香ちゃんも「過去最高に充実したツアーだった!」という最高ツアーの千秋楽、東京・豊洲PIT公演のライブレポートをお伝えいたします。

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プリンセスプリンセスの2012-2016の再結成の最終公演の会場だった豊洲ピットに香ちゃんがソロとして帰ってきた。

「今年の3月のプリプリの再結成がさ、もう何年も前のことのように思えるよ」

と、香ちゃんは言う。
それもそのはず。再結成の後、アルバムをリリースし、全国各地へのキャンペーン、全国各地のひとりツアー、夏フェス、TV・ラジオ出演、リハ、バンドツアーと、休む間もなく音楽と向き合い駆け抜けてきた。
ニューアルバムはなんと10年ぶりのリリースとなり、その10年分の想いを伝えるべく全国を駆け回った約7ヶ月間は時を忘れてしまうほどの充実ぶりだったに違いない。
10年分の想いの詰まった岸谷香の音楽を肌で感じてもらいたい。そんな意気込みも感じられる公演となりました。

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会場である豊洲PITはプリンセスプリンセスの後夜祭だけでなく、こけら落とし公演も香ちゃん、あっこちゃん、高嶋ちさ子さんとコラボで参加した、とても思い入れのある会場。

 

01ほぼ定刻の17時に場内が暗くなり、ドラムのビートと共にスポットライトに照らされた香ちゃんの影が現れます。その姿は香ちゃんからみなぎるパワーが放たれているようにも観え、それだけで心が震えます。

オープニングはアルバム『PIECE of BRIGHT』の1曲目でもある『49th バイブル』からスタート。
『49th バイブル』はライブの一曲目で演奏することを想像しながら書いたという楽曲。
香ちゃんいわく「一曲目が始まってステージからみた光景は ”これだぜ” って思う光景で失神して倒れちゃいそうなくらいだった」と、予想以上の盛り上がりを見せます。

02「ハロー、トーキョー!!!」

息つく間もなく2曲目は『Kiss & Kiss』。
アルバム通りの1曲目、2曲目という流れは盛り上がらないわけがなく、プリプリの楽曲を彷彿とさせる『Kiss & Kiss』となると会場のテンションもどんどんあがっていきます。

続いての『One』では、バックバンドも本物さながらの演奏をし会場を魅了します。
プロデューサーのマイケルさんがリハーサルで「プリプリの楽曲をやるなら完コピじゃなきゃダメなんだよ。」と言ったらしく、バンドメンバーの演奏はパーフェクト。豊洲PITでの完コピ演奏は3月のプリンセスプリンセス再結成公演を思い出させる素晴らしい一時でした。

「みなさんもこんなに集まってくれてどうもありがとう最後までうーんと楽しんでね!」

今回の公演はアルバム『PIECE of BRIGHT』を中心に構成されたセットリストですが、ところどころに「これ聴きたかったんだよね」という名曲がちりばめられています。
始まって数曲ですがいろんな意味でとにかく大満足で、スタートからこんなに楽しくてみなさんも最後まで身体が持つんだろうかと、そんな不安すら覚えます。

アコギに持ち替えて『My Life』。テレキャスに持ち替えて『ティンカーベル』。

「この豊洲PITができてからもう何度もここでステージやってるわけですがなんかでも一番うおーっていう景色なような気がするんですけど。みんながニコニコしてて嬉しいなと思います。」

と、その一人一人の笑顔を確認するかのように香ちゃんも会場を見渡します。
お客さんのエネルギーが強いとステージでもその圧を感じるようで、香ちゃんもお客さんの幸せエネルギーを十分受け取っていたのかもしれません。

03

次の曲目では新しいメンバーを紹介。

「みなさんお気づきかと思いますけれども、私のステージにプリプリ以外で女の子が立ったことはないんですけれど…」と、香ちゃんのステージ史上初となる女性コーラス 加藤哉子 を迎えての演奏です。
すでに1曲目からコーラスで参加しており、今までの香ちゃんのライブに足りなかったものがあるとすれば、女性コーラスだったかもしれないと思わせてくれるほどの素晴らしいコーラスで楽曲を強力にサポートしてくれます。
しかも名前は哉子(カナコ)。「みんなカナちゃーんって呼んで。慣れてるでしょ? 懐かしくない?」なんてカナちゃんの緊張もほぐしながら過去に一度もライブでやったことない楽曲『プロポーズ大作戦』を初披露。こちらの曲はPUFFYさんに楽曲提供する予定で書いた曲ですが、提出したもう一曲「春の朝」が選ばれてしまったためアルバム『香』に入れた楽曲です。”シニアPUFFY” なんて言いながらゆるーい感じで歌い上げます。振り付けもPUFFYっぽく。香ちゃんは死ぬほど恥ずかしかったらしいですが…。

香ちゃんのライブのもう一つの楽しみであるMCでは、お客さんに着席してもらい今回も話す気マンマンです。
自然体で話しかける様子と、ときおり会場の方との交流をするかけあいトークはいつ聞いても和みます。
今回のMCでは少し早いけれど今年1年を振り返ってくれました。
3月の再結成のこと。プリンセスプリンセスの豊洲PITでは1曲目がなんだったかわかんないぐらい必死でやったということ。全国のひとりツアーのこと。アルバムの制作秘話などを話してくれました。
そして、今回はアルバムを出して、ツアーをやれて良かったとも。東京、名古屋、大阪でのバンドライブを終え、会場との一体感や爽快感、ニューアルバムの手応えを肌で感じたようで香ちゃんも興奮気味にその楽しさを伝えてくれました。

「アルバムを作ってほんっとに良かったと思っています。
10年とは言わずに何年かしたらオリジナルアルバムをまた出したいなと思います!」

と、ファンにとっては嬉しい一言も聞くことができ、楽しいMCは終了しました。
近い将来、新しいアルバムが聴けるのは今からとっても楽しみですね!

06

ここからはMCで冷えた身体を徐々に暖めていきます。

香ちゃんご自慢のオレンジのウーリッツァーに座り『precious』。
少しトラブルがあったけれど物怖じもせず、独特のアレンジで魅了した『ナイトミュージアム』。
ギターからベースに持ち替えての『Dump it!』。
『Dump it!』では香ちゃんが最近買ったというニューベースの登場で会場も湧きたちます。
ツインベースという構成はなかなか見ることはないのですが、アレンジを加え見事なアンサンブルに仕上げて演奏します。曲の途中ではベースのダッチー(安達貴史)のスペシャルソロや香ちゃんのライブではなかなかないタオル回しなんかもあり会場もそれに応えます。

徐々に会場の熱も帯びて来た所で

09「さぁ、みんなもちょっと踊りたいかな?」

と、アルバム発売後に定番曲となった『ミラーボール』を演奏。
ウーリッツァーから始まるイントロが聴こえると会場も大盛り上がり。ダンスチューンのこの楽曲のサビの部分ではお客さんも左右に手を振り会場が一体となります。

『SEVEN YEARS AFTER』ではイントロから歓喜の声があがり心なしかみなさんの腕の振り上げが一段と強くなっています。 香ちゃんのギターソロでは「うぉー!」っと地鳴りのような歓声があがり3月の豊洲PITさながらの盛り上がりをみせます。

08そして、メンバー紹介のあとは『ハッピーマン』。

幾度となく香ちゃんの本編の最後を飾ってきたこの楽曲は今日もエンディングを飾ります。
みんなもこれを待っていたようでどこにそんなパワーを残してたのだろうと思うくらい会場が揺れ始めます。
『ハッピーマン』が生まれてから今年で19年とちょっと。プリプリ解散の翌年に奥居香のソロの始動の曲として発表されたこの曲はファンの方といろんな素敵な光景をつくり、みんなの心や身体の一部になっているような気がしました。

「どうもありがとーぅ!」

香ちゃんは深々とお辞儀をした後、投げキッスをしてステージを去っていきます。

 

鳴り止まないアンコールの声援の後は、暗闇の中からカウントが始まる『REGRET』。
イントロで香ちゃん、カナちゃんのコーラスが会場全体に響わたり独特な空間を作り上げます。
続いて『M』。
目を閉じて聴きたいこの2曲の世界観を壊さないようにMCを入れなかったのは香ちゃんの配慮だったのかもしれません。
2曲が終わりアンコール後、初めてここで口を開きます。

「さっき始まったなーと思ったら、もうアンコールになっちゃいました。
今回は4本しかない短いツアーでしたけれど、とても充実していて
そしてなにより、みんなの拍手は声援や笑顔やいろんなものが私の栄養になりました。
今日集まってくれたみなさんに心からどうもありがとうございました!最高の1日でした!」
と、みなさんに感謝の気持ちを述べました。

そして、最後は『Diamonds』。

香ちゃんのライブで何度この曲を聴いたことだろう。
この曲のが流れるたびに全国各地で笑顔が生まれ、幸せの『Diamonds』をひとつ持って帰っていただく。
1曲だけでこんなに幸せになる曲は世の中にそうそうないだろう。
笑顔が笑顔を呼び、会場がパッと明るくなる。そんな心の光が会場全体を包んでいるようでした。

とにかく、香ちゃんはライブが良い。
CDやmp3では伝わらないあの空気感、 TVやDVDでは伝わらない躍動感や一体感。何がおこるかわからない香ちゃんの仕草や笑顔。知らないうちに香ワールドにひき込まれ、楽しい!と思わせる夢のような公演は今回も格別でした。

「じゃ、また年末。来年はいっぱい会いましょう!」

そう言って香ちゃんはステージを後にした。

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「年をとるのも悪くない」

いつだったか香ちゃんはインタビューでそんな風に答えていた。
それはきっと、進化し続ける岸谷香の自信だったのかもしれない。
正直、2014年の渋谷公会堂は完璧だと思ったし、2015年のZeppはそれを越えていた。最高のライブを見せられた後の今年のバンドツアーは、不安と期待が入り交じった状態だったが、そんな不安も一瞬で払拭され、史上最強と思わせるほどの最高のライブを魅せてくれた。
ライブ終演後の握手会でも「元気をもらいました。」、「パワーをもらいました」と言っているファンの方がとても多かった。「音楽を通じて人を幸せにする」誰にでもできることではない偉業を自然体でさらっとやってのける香ちゃんは今後もさらにさらに進化を続け、私たちを楽しませてくれるに違いない。

そんな香ちゃんも来年で50歳。会場でも発表されましたが「Happy 50th Annyversary」と題し全国各地でいろんなことをやっちゃいますのでお楽しみに。

でも、その前に…。
年末のひとりライブでお逢いしましょう!
こちらもゴージャスにやっちゃいますよ。

まだまだ、進化し続ける香ちゃんにご期待ください!

 

 

 

setlist

1001.49th バイブル
02.Kiss & Kiss
03.キッチン
04.One
05.My Life
06.ティンカーベル
07.プロポーズ大作戦
08.くいしんぼ天国
09.precious
10.ナイトミュージアム
11.Singing
12.GLASS HEAVEN
13.Dump it!
14.ミラーボール
15.SEVEN YEARS AFTER
16.ハッピーマン

encore
EC1.REGRET
EC2.M
EC3.Diamonds

 

岸谷香(Vo / Gu / Ba / Key)
安達貴史(Ba)
朝倉真司(Dr)
シュガービーンズ(Key)
円山天使(Gu)
加藤哉子(Cho)

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